新着情報:月刊「コロンブス」 |
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ふるさとの元気企業 ページ39、月刊「コロンブス」 |
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鴨は、欧米で自社製品の販売を考えている企業の支援、反対に欧米の技術を求めている企業の支援、ひとことで言うとハイテク技術協力の分野で欧米と日本の企業が良好なパートナーシップを確立する仲立ちを、主な業務としている。所在地は「上山田町温泉」。そう、居を構えているのは信州有数の温泉地、戸倉上山田温泉なのである。 キーナ社長は「学生時代に日本に興味を持ち、大学院の時は半分を日本で過ごしながら、企業研究などを行っていました。その時に清成忠男先生(法政大学総長)からナガノに坂城という面白い工業の町があるから見てきてごらん、と紹介されたのがそもそものきっかけなのです」と流暢な日本語で話す。 坂城の「面白さ」に惚れ込んだキーナさんは、結局そこに住み込んで「ある地方都市の奇跡――高度成長期の工業発展」なる博士論文までしたためてしまう。そして研究者になる道を捨て、隣町の温泉場に自ら"実践の場"を設けたというわけだ。91年のことである。 ■小さいことはいいことだ 「生まれ育ったのはコネチカット州の田舎町。やっぱり、こういう静かなところが性にあっているようです。東京で同じことをやればもっと仕事は増えると思うのですが、会社を大きくすることが目的ではないですから」 「米国はベンチャーの天国のように言われますが、"何が何でも大きくなろう"いう経営でなければダメ。だから、どんどんマネーゲーム的になっていく。日本では優れた技術力を武器に、小さい企業は小さいなりに輝きを持っていたのですが、近年、若者の技術離れなど、ちょっと心配な事態が進行しています。日本の素晴らしさを失うようなことにならなければいいのですが」。噛みしめたい指摘である。 それにしても、鴨とは? 「ニックネームがダックだったものですから。日本語にある種のニュアンスがあることは後で知りました。お客さんには"カモになるのは当社、お宅は得をするだけです"と話しているのですよ」。 |
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